「昔は通ったのに…」道路占用が厳しくなった理由

こんにちは。茨城県結城郡八千代町の行政書士、くぼやです。

「以前は何も言われなかった工事なのに、最近になって急に道路占用を求められた」

外構工事、設備工事、看板設置などの現場で、こうした声を聞くことが非常に増えています。

現場の感覚としては
「役所が急にうるさくなった」
と感じるかもしれません。

しかし、これは単なる気分や担当者の違いではありません。
役所側の内部事情と、制度運用の変化が背景にあります。

本記事では、元・役所の建設部門にいた行政書士の立場から、なぜ道路占用が厳しくなったのかを、現場目線で解説します。


理由① 老朽インフラが限界に近づいている

道路・歩道・側溝・縁石・地下埋設物は、高度経済成長期に整備されたものが多く、すでに耐用年数を超えている箇所も珍しくありません。

そのため、

  • 少し掘っただけで崩れる
  • 工事後の沈下が起きやすい
  • 原状回復の質が問われる

といったリスクが高まっています。

役所としては「壊した責任を誰が取るのか」を、以前より厳密に見ざるを得なくなっています。


理由② 事故・クレームが確実に増えている

道路占用が絡む工事では、

  • つまずき事故
  • 車両との接触
  • 原状回復不良による苦情

といったトラブルが後を絶ちません。

一件一件は小さく見えても、最終的に矢面に立たされるのは道路管理者です。

その結果、

  • 書面で残る協議
  • 許可の明確化
  • 責任の所在整理

が強く求められるようになりました。


理由③ 「黙認」が通用しなくなった

以前は、

  • 口頭説明
  • 担当者判断
  • 暗黙の了解

で済んでいたケースもありました。

しかし現在は、

  • 協議履歴がデータ化
  • 引継ぎで過去対応が可視化
  • 監査・情報公開への対応

といった理由から、担当者の裁量でOKを出すことが難しくなっています。

「前任者はOKだった」という説明は、今ではほとんど通用しません。


理由④ 道路管理者の“管理責任”が重くなった

道路は公共財産です。
一度事故が起きれば、

  • なぜ許可したのか
  • 管理は適切だったのか
  • 事前に防げなかったのか

と、管理者の責任が問われます。

そのため現在は、

  • 占用の必要性
  • 施工方法
  • 原状回復の内容

を、事前に明確にさせる運用が主流です。


理由⑤ 「業者任せ」にできなくなっている

以前は、

「プロがやるなら大丈夫だろう」

という空気がありました。

しかし現在は、

  • 元請と下請の分離
  • 責任の分散
  • 実態把握の難しさ

から、「誰が最後まで責任を持つのか」を、書面で確認する必要が出ています。


実は、役所は“止めたい”わけではない

誤解されがちですが、役所は工事を止めたいわけではありません。

本音は、

  • トラブルなく終わらせたい
  • 後で問題になりたくない
  • 管理できる形で進めたい

これだけです。

そのため、事前協議が整理されている案件ほど、スムーズに進みます。


現場で本当に困るのは「後から気づく」こと

一番困るのは、

  • 着工直前で占用が必要と判明
  • 工程が崩れる
  • 施主説明が難航する

このパターンです。

道路占用は、申請そのものより、判断のタイミングが重要です。


まとめ|「厳しくなった」のではなく「明確になった」

道路占用が厳しくなったように見えるのは、

  • 管理責任が明確化された
  • 黙認ができなくなった
  • 記録が残る時代になった

これが理由です。

「昔は通った」という感覚のまま進めると、今は止まります。

少しでも道路に関わる工事の場合、早めに道路占用の要否を確認する
それが、現場を止めない一番の近道です。


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