こんにちは。茨城県結城郡八千代町の行政書士、くぼやです。
先日投稿した、「行政書士法改正にまつわる自動車手続きの変化」について、最新情報をお届けします。
令和8年(2026年)から施行される改正行政書士法では、行政書士でない者が報酬を得て書類作成を行うことへの規制が明確化され、罰則も強化されます。特に自動車販売店への影響は大きく、現在も情報の整理が追いついていない中古車販売店なども多いようですね。
令和7年12月24日、日本行政書士会連合会から自動車の登録・車庫証明手続きにおける「行政書士法違反」の具体例が示されました。(これを分かりやすくまとめた記事はこちら↓)
これに合わせて、茨城県行政書士会運輸交通部より、行政書士会の会員へ向けて『「自動車販売会社による登録等の手続における行政書士法違反になるものと考えられる例」に寄せて』が発出されています。
茨城県行政書士会より許可をいただきましたので、全文を掲載いたします。(あとがきを除く)
※茨城県行政書士会運輸交通部の補足見解もありますので、自動車整備・販売業の方も参考になると思います。
日行連発出「自動車販売会社による登録等の手続における行政書士法違反になるものと考えられる例」に寄せて
令和7年12月24日初稿 茨城県行政書士会運輸交通部
令和8年より施行される改正行政書士法により、第19条第1項の趣旨が明確化されるとともに、両罰規定の強化が図られた。
これを受け、日本行政書士会連合会(以下「日行連」という。)から、自動車販売会社による自動車登録等の手続に関し、行政書士法違反となるおそれのある具体例および自動車販売会社に対する周知徹底事項が発出されたところである。
本稿は、当該日行連発出文書の内容を踏まえ、会員各位において理解を深め、実務における共通認識を形成することを目的として、要点を整理するものである。
1 行政書士法違反となるおそれのある主な例(整理)
(1)車庫証明申請業務に関するもの
自動車販売会社の販売員が、有償または反復継続して、
・自社販売車両に係る車庫証明申請書を作成する行為
作成費用を無料としていても、販売代金等に対価が含まれると評価される場合を含む
・顧客情報・車両情報等の社内データベースを用いて申請書を作成する行為
・警察署提出後に、車台番号の追記や記載内容の訂正・補正をする行為
警察署職員から求められた場合であっても同様
(2)自動車登録業務に関するもの
自動車販売会社の販売員が、有償または反復継続して、
・自社販売車両に係る自動車登録申請書を作成する行為
・社内データベースを用いて登録申請書を作成する行為
・陸運支局等への提出後に、追記・訂正・補正をする行為
窓口からの指摘に基づく場合であっても不可
これらはいずれも、「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」官公署に提出する書類を業として作成する行為に該当し、行政書士法第19条第1項違反となるものと整理されている。
2 自動車販売店に対する周知徹底事項(要点)
日行連は、自動車販売会社およびその販売員に対し、次の点について特に周知徹底する必要があるとしている。
・行政書士法の考え方は、車庫証明申請書および自動車登録申請書に限らず、
官公署に提出する一切の書類、ならびに 権利義務・事実証明に関する書類全般に及ぶこと
・改正法により、「報酬」の名目を問わない違法性が明文化されたこと
・両罰規定の改正により、行為者のみならず、法人等にも100万円以下の罰金刑が科され得ること
・行政書士法違反は、刑事責任のみならず、企業の信用失墜、顧客離れ等、経営上の重大なリスクを伴うこと
・販売員への教育・周知が不十分である場合、結果として違反行為を招きかねないこと
・本通知に記載されていない行為であっても、行政書士法違反とならないことを意味するものではないこと
・不明点は、日本行政書士会連合会許認可業務部運輸交通部門に照会すること
3 書類の収集、使者としての申請および受領等に関する見解
(1)書類の収集について
・書類を「収集する行為」自体は、行政書士法違反には該当しない
・ただし、申請に添付する自認書、使用承諾証明書、配置図等について、権利者等が作成した書類を預かるにとどまる場合は問題ないが、販売店側が作成、記載、追記、修正等に関与した場合は違反となる
・住民票等の取得を、申請者に代わってする行為は、官公署に提出する書類の作成・提出に該当し、行政書士法違反となるものと考えられる
(2)使者としての申請・受領について
・使者としての申請・受領自体は直ちに違法とはされていない
・しかし、窓口での受理可否は官公署の判断に委ねられており、本人確認や使者の限定を厳格に行う窓口も既に存在している
・使者による申請の場合、追記・補正は一切認められず、日付や車台番号の追記等を行えば行政書士法違反となる
・日行連としては、官公署窓口に対し、国民の権利利益保護の観点から、より厳格な対応を求めていく方針である
(3)費用の徴収について
・書類収集や使者行為自体が違法でない場合、一定の費用徴収は可能とされている
・ただし、その範囲は法定費用、人件費、交通費等の直接経費に限定され、合理的に算定される必要がある
・過大な費用を徴収した場合、書類作成への関与が疑われるおそれがあることに留意すべきである
(4)OSS申請等について
・自販連等におけるOSS申請は、行政書士法第19条の適用除外であり、改正法の影響はない
・もっとも、OSSによる車庫証明申請における配置図の作成は行政書士業務とされており、販売店が作成すれば違反となる
4 本会(茨城会運輸交通部)の補足見解
(1)使者による申請行為と「業務性」について
自動車販売店の販売員等が、いわゆる「使者」として官公署窓口に申請書類を持参する行為については、単発的かつ例外的なものである場合には、直ちに行政書士法違反に該当しないと整理されている。
しかしながら、同一人又は同一事業者が、反復継続して申請書類の提出を行っている場合には、形式上「使者」であると主張していたとしても、当該行為に「業務性」が認められる余地が生じることに留意すべきである。
この「業務性」の有無については、有償であるか無償であるか、名目上、使者と称しているか否かといった点のみで判断されるものではなく、反復継続性、行為の態様、実質的な関与の程度等を総合的に考慮して判断されるものである。
(2)委任状の記入行為について
委任状については、依頼を受けて作成する
「官公署に提出する書類」又は
「権利義務若しくは事実証明に関する書類」
には該当しないと解されている。
このため、委任状の記入行為自体は行政書士法の適用範囲外であり、自動車販売店がこれを行うことについては、直ちに行政書士法上の支障が生じるものではない。
もっとも、委任状の作成を端緒として、申請書類本体の作成、記載、追記、補正等に関与することとなれば、行政書士法違反の問題が生じ得るため、その取扱いには引き続き慎重な対応が求められる。
(3)継続検査(いわゆる車検)に係る申請書の作成・申請について
継続検査において通常必要とされる書類は、継続検査申請書および自動車検査結果(保安基準適合表等)にほぼ限定されており、
所有者・使用者・権利関係に変更が生じないことが一般的である。
また、申請書の記載内容も、車両特定情報および検査実施結果といった客観的事実の転記に近い性質を有する。
この点を踏まえると、継続検査に係る申請書の作成・提出行為については、直ちに行政書士法上の
「事実証明又は権利義務に関する書類の作成」に該当するものではないと評価し得る余地があるとの見解も成り立ち得る。
もっとも、改正行政書士法は、行政書士又は行政書士法人以外の者が、他人の依頼を受けて書類を作成し、又は官公署に提出する行為について、罰則をもって業務独占を及ぼすものである。
したがって、外形上「書式への記入」や「物理的な提出」にとどまる場合であっても、行政書士以外の者が有償又は反復継続して書類作成に関与する行為は、行政書士法に抵触する可能性を否定できない。
このため、持込車検においては、申請実務上、申請代理人欄に行政書士名を記名するなど、少なくとも当該書類作成に行政書士が関与していることを明示する運用に努めることが望ましいと考えられる。
また、保安基準適合証を用いた継続検査については、制度構造上、登録手続と同様に、書類作成および申請行為の双方について行政書士が関与・実施することが、本改正の趣旨に照らして相当であると整理するのが妥当であろう。
貴重な時間をムダにするよりも、行政書士くぼや事務所にまるっとお任せ!
LINEやオンライン面談で、時間や場所を問わずにご相談いただけます。
どうぞお気軽に、お問い合わせください。