
道路占用の手続きとは?申請から許可までをゼロから解説
道路上に工作物を設置したり、電柱・管・看板などを設けるときに必要になるのが「道路占用許可(どうろせんようきょか)」です。
名前は聞いたことがあっても、「誰が許可を出すの?」「どんなものが対象なの?」という点は意外と知られていません。
この記事では、道路占用の仕組みをゼロからわかりやすく解説します。
🔹 道路占用とは?
まず、「道路占用」とは、道路の一部を特定の人が継続して使うことをいいます。
道路は本来、誰でも自由に通行できるものです。しかし、特定の個人や事業者が一部を専用的に使う場合には、管理者の許可が必要になります。
たとえば次のようなケースが該当します。
- 電柱・通信ケーブル・ガス管などの設置
- 店舗前の突き出し看板や日よけテント
- 建物の排水管が道路下を通る場合
- 歩道にベンチや自販機を設置する場合
- 仮設工事の足場や囲いを道路に置く場合
このように、「通行目的以外で道路を使う」ことが道路占用にあたります。
🔹 道路占用の管理者は誰?
占用の許可を出すのは、道路の管理者(道路の種類によって異なる)です。
| 道路の種類 | 管理者 | 申請先の一例 |
|---|---|---|
| 国道 | 国土交通省・地方整備局 | 国道事務所など |
| 県道 | 都道府県 | 県土木事務所など |
| 市町村道 | 市町村 | 市役所・町役場の道路管理課など |
つまり、「どの道路に設置するか」で申請先が変わります。
これを間違えると申請が通らないため、まず道路の種類を調べるのが最初のステップです。
🔹 手続きの基本プロセス
道路占用許可の流れは、概ね次のようになります。
① 計画内容の確認
占用の目的・位置・期間・構造などを整理します。
図面や設計図、設置する期間などもまとめておきましょう。
② 管理者への事前相談
いきなり申請書を出すのではなく、まずは担当窓口に相談します。
構造・安全性・位置によっては、許可が難しいこともあるため、早めの相談が大切です。
③ 必要書類の準備
一般的には次の書類が必要です。
- 道路占用許可申請書
- 位置図・平面図・断面図
- 構造図(占用物の詳細)
- 付近の写真
- 占用料の見積書
- 管理者が指定する添付書類(同意書など)
行政書士がサポートできるのはこの部分です。
④ 提出・審査
書類を提出すると、管理者が内容を審査します。
構造や通行への影響、安全性などがチェックされます。
⑤ 許可書の交付
問題がなければ、正式に「道路占用許可書」が交付されます。
この時点でようやく設置・施工が可能になります。
🔹 占用料(年間使用料)
道路占用は“公共の土地を借りて使う”行為なので、通常は占用料(使用料)がかかります。
占用料は道路の種類・場所・面積・用途によって異なり、各管理者によってそれぞれ単価が定められています。
例:
- 排水管占用 → 1㎡あたり年間数百円~
- 看板・自販機 → 数千円~1万円程度
※ただし、公益目的のもの(防犯灯、バス停など)は免除されることがあります。
🔹 無許可占用はNG!
無許可で道路を使っていると、「道路法第32条違反」として撤去命令や過料の対象になる場合があります。
「少しはみ出しているだけ」「昔から置いてある」などのケースでも、
最近では自治体の調査で指摘されることが増えています。
🔹 行政書士に依頼できること
道路占用の手続きは、図面や協議などが多く、個人で対応するのは大変です。
行政書士は以下のような部分をサポートできます。
- 管理者への事前相談・調整
- 申請書・図面の作成代行
- 占用料の算定サポート
- 維持管理に関する覚書作成
- 許可後の更新・変更手続き
地域や内容によって求められる書類が異なるため、早めに相談するのがポイントです。
🔹 まとめ:占用は「借りること」+「責任を持つこと」
道路占用とは、公共の道路を「一時的に借りて使う」行為。
しかし、その裏には安全確保や維持管理などの責任も伴います。
許可をきちんと取ることで、トラブルを防ぎ、安心して道路を利用することができます。
もし「これ、占用になるの?」と迷ったときは、行政書士に相談してみましょう。
手続きは平日しかできないことも多くあります。
貴重な時間を割くよりも、行政書士くぼや事務所にまるっとお任せ!
どうぞお気軽に、お問い合わせください。