
建設業者・設備業者の方から、こんな相談を受けることがあります。
「道路占用の許可は取ったんですが、
工事直前になって警察から“道路使用も必要です”と言われてしまって…」
結論から言うと、
**道路占用と道路使用は「目的がまったく違う制度」**で、
工事内容によっては両方必要になるのが現実です。
そしてこの理解があいまいなまま進めると、
工事が止まる・工程がずれる・元請から信用を落とす
という事態につながります。
道路占用と道路使用の違い(ざっくり整理)
まずは最低限、整理します。
道路占用許可とは
- 管理者:市町村・県などの道路管理者
- 趣旨:
👉 道路に工作物を設置・継続使用することの許可 - 例:
- 埋設管
- 電柱・支柱
- 足場の一部が恒常的にかかる場合
道路使用許可とは
- 管理者:警察
- 趣旨:
👉 交通に影響を与える行為をすることの許可 - 例:
- 車線規制
- 通行止め
- クレーン作業
- 資材搬入による一時占有
👉
「モノを置くか」=道路占用
「交通をいじるか」=道路使用
この違いです。
両方必要になる典型的な工事パターン
ここからが本題です。
現場で一番トラブルが多いケースを挙げます。

① 道路を掘削して埋設管を入れる工事
- 掘削・埋設 → 道路占用
- 掘るために車線規制 → 道路使用
👉
「占用だけ取っていたら、警察からストップ」
という典型例。
② クレーン・高所作業車を使う工事
- 電柱・設備の設置 → 道路占用
- クレーンを道路上に据える → 道路使用
👉
特に都市部・交通量の多い路線で多発。
③ 足場が一時的に道路にはみ出す工事
- 数日〜数週間、足場が道路にかかる
- 「短期間だから占用じゃない」と思いがち
👉
期間・状態によっては両方必要
(自治体・警察の運用差が大きい)
「どっちが先?」で詰まる理由
実務で多いのがこの誤解です。
「占用が先?使用が先?」
答えは
👉 ケースバイケース
ですが、重要なのは順番ではありません。
本当に大事なのは
- 工事の全体像を整理して
- 最初に両方の要否を洗い出すこと
これをやらずに
- 先に占用だけ申請
- あとから警察に行く
と、設計・工程を組み直す羽目になることがあります。
なぜ「事前相談」が重要なのか
道路占用・道路使用ともに、
書類より前に見られているポイントがあります。
- 交通量
- 周辺環境(学校・交差点)
- 工事時間帯
- 誘導体制
- 近隣影響
ここを整理せずに申請すると、
- 「この計画では通せません」
- 「やり直してください」
と静かにNGになります。
👉
**工事が止まる原因の多くは、書類不備ではなく“計画段階”**です。
工事を止めないために、業者側がやるべきこと
最低限、ここだけは意識してください。
- 道路に「何を」「どれくらい」「どの期間」置くか
- 交通に「どんな影響」が出るか
- 警察と道路管理者、どちらも関係しないか
これを
着工直前ではなく、見積・工程作成段階で整理する
これだけで、トラブルはかなり減ります。
行政書士としてお伝えしたいこと
道路占用と道路使用は、
「制度を知っているか」よりも
**「行政の見方を想像できるか」**が重要です。
- なぜ警察がここを気にするのか
- なぜ道路管理者が慎重になるのか
ここを分かった上で進めないと、
現場は確実に止まります。
こんな場合は、事前に相談してください
- 占用か使用か判断がつかない
- 両方必要そうだが工程が厳しい
- 元請から「急いで取って」と言われている
- 将来的に入札も考えている
👉工事が止まってからでは、選択肢は限られます。
道路占用・道路使用は、工事内容や管理者によって進め方が大きく変わります。
まず全体像を整理したい方は、こちらのサポートページをご覧ください。
▶ 業者様向け|道路占用・道路使用許可サポート
すでに具体的な工事内容が決まっていて、「これは占用が絡みそう」と分かっている場合は、そのままご相談ください。
▶判断・手続きについて相談する
この記事の要点まとめ
・道路に物を置く、掘る工事は道路占用が問題になる
・交通に影響が出る工事は道路使用が問題になる
・工事内容によっては両方が同時に必要になる
・判断に迷う場合は、着工前の事前相談が重要